ホメオパシー否定派はゴリラ並に頭が悪いというのは本当か?

ホメオパシー否定派が頭が悪いのではないかという推測に対して、少し辛辣ではないかというご意見がありました。これについて考察してみたいと思います。

ホメオパシーの有効性を示す文献、論文、エビデンスは無数にあり、世界中の医師、獣医師、歯科医師、ホメオパスが日々ホメオパシーのレメディーの効果を実感しています。つまりは、ホメオパシー否定派が言っていることはこういうことです。ゴリラが目の前にいるのに、「ゴリラはいない。なぜならゴリラは動物園にいるものだから」と言っているのです。この主張がどれだけ愚かなものであるかは理解していただけると思います。率直に言うならば、もはや頭が悪いなどというレベルではないのです。

もしホメオパシー否定派の人々をゴリラ並の頭の悪さであると言ったとき、それはゴリラに対して大変失礼な発言となってしまいます。なぜならゴリラは事実を事実として受け入れる能力はあるからです。そうでなければ野生の環境で生きていくことはできません。

ホメオパシー否定派はホメオパシーが効果を発揮しないことがあると言います。もっとはっきり言えばある種の実験の結果、ホメオパシーには有効性がないという結果を示した。だからホメオパシーは有効でない。インチキだと言うのです。しかしそれはホメオパシーが普遍的に有効でないことを示したものではなく、その実験の条件では有効性が認められなかっただけのことにすぎません。こんなことはゴリラでもわかることです。

ところが、ホメオパシー否定派は、このような実験結果をもってホメオパシーに効果がないことが証明されたと言うのです。しかし、少なくともホメオパシーがプラセボ以上の効果が認められたことがある以上、ホメオパシー療法には確実に生体に作用を及ぼす力が存在していると考えなければなりません。

そして愚か者でない限り、どういうときに効果を発揮するかを見つけようとします。これはゴリラでもやっていることです。人間であれば、なぜあるときは効果を発揮し、あるときは効果を発揮しないかを考えるでしょう。

たとえばあることがいつも成功するとは限りません。成功するときと失敗するときがあります。事実や経験からフィードバックしてどうしたら成功するのか、どうして失敗したかを考えるのです。あるいは失敗の原因を考えないとしても、繰り返し行動し経験することで、どういうときに成功するのかを理解するようになります。

同じようにホメオパシーのレメディーでもどういうときに効果を発揮しどういうときに効果を発揮しないかを繰り返し使ってみることでやがてわかることがあります。それがホメオパシーの場合は同種の法則などです。出ている症状と同じような症状を引き起こすことのできるレメディーをとった場合に症状を収束させることができるということを学習するわけです。あるいは医原病があるときはその抑圧のふたをとらないと治癒していかないと学習するわけです。ところがホメオパシー否定派は、たった一つの実験結果で、レメディーがプラセボ以上の治癒効果を発揮することがあるという事実の全てを否定してしまうのです。そこには知性のかけらもありません。

本来一回でも明らかな治癒効果が見られたならば、そこには何かあるはずであり、もう一度治癒効果を再現しようと努力するのが知性ある者がとる行動であるのに、何万回と報告されているその治癒効果の全てを否定するのです。

理由は「そんなことがあるわけないから」です。ゴリラが目の前にいるのに、いないと言っているわけです。事実こそがこの現実で生きている私たちにとって意味があり実用的であるにもかかわらず、事実を無視するのです。事実を無視するので経験から学ぶこともできません。仕組みを探求しようとしないからです。

ゴリラであれば成功体験をもとに何度も試行錯誤を繰り返し、同じ成功体験の確率を高めようと努力するでしょう。ゴリラが同種の法則を発見するかどうかは別にして、ある種の病気にこの草を食べればよいという知識を獲得する可能性はあります。

しかしホメオパシー否定派のように事実を受け入れることをしないのであれば、その可能性すらありません。そういう意味において、「ホメオパシー否定派はゴリラ並に頭が悪いか?」という命題に対して、単純に「YES」といえない状況があるのです。

「ホメオパシー否定派はゴリラ以下の頭脳である」の方が真実に近いかもしれないのです。

ホメオパシーの理論を理解するには、ホメオパシーの創始者であるサミュエル・ハーネマンの著作『医術のオルガノン』をまずは読んでください。そこには経験を通して獲得した智恵がつまっています。