なぜホメオパシーは嫌われるのか?(その6)――予防接種トンデモ論より引用――

予防接種トンデモ論ドイツ語版出版を記念して、予防接種トンデモ論から一部、ご紹介します(その6)。

エイズにみる最新の免疫学

 1940年、チェースという人が、ノーベル賞を受賞したもう1人の医師と「細胞免疫と比較すると、抗体は免疫システムの中では役割が非常に小さい」ということを発見しました。いまから70年くらい前のことです。チェースは、抗体は体内に未解決の問題があるということを免疫組織にわからせるように、ウイルスや毒などの異物に目印をつけているだけだ、ということをつきとめたのです。

 このことによって、免疫組織がしっかりしている人は抗体が少ないということがわかったのです。これは、私たちが教えられてきた世の常識とは全く逆です。本当に不思議なことですが、いまだに抗体価が高ければ高いほど免疫があると考えられているのです。本当に免疫力があるならば、抗体価は低くなるということがもう70年も前に明らかになっているにもかかわらず……。

 そして、抗体=免疫という間違った考えのもと、抗体をつくらせようと必死になってワクチン開発が進められているのです。抗体は病原体や毒素を不活性化させるかもしれませんが、破壊はしません。病原体や毒素は体外に排泄されることもなく、血液中にとどまり続けるのです。それが問題なのです。抗体がつくられたとしても、ウイルスや異物を排泄することができない状況にあるかぎり、抗体を生産するB細胞は活動的にならざるを得ず、本当の免疫力、すなわちT細胞の活動は抑圧されたままになっているのです。

 この極端な例としてエイズがあります。エイズは、排泄できない異物がたくさんあることによって、抗体だけが過剰につくられ、著しく免疫が低下し、病気を押し出すことができない状態で生じているのです。具体的には、エイズの場合、キラーT細胞の値が低く、B細胞の値が高いのです。つまり抗体がたくさんあるというわけです。患者が山ほどの抗体をもっているという事実は、免疫が十分に働いていない結果なのです。エイズにかかった人たちというのは、体内にエイズウイルスがあるわけではありません。エイズの症状があり、エイズという病気で死ぬのですが、エイズウイルスが見つからないのです。

 エイズウイルスは細胞の中に侵入することができ、T細胞、特にヘルパーT細胞(おそらくTh1)にも入っていくのですが、T細胞は早いスピードでリサイクルするので、エイズウイルスもすぐに排泄されてしまうのです。エイズウイルスがT細胞の中にも入っていくところから、エイズが免疫機能を破壊するという間違った神話ができてしまったわけですが、実際、エイズ研究者は、免疫システムを大きく破壊するようなエイズウイルスは存在しないといっています。しかし、エイズウイルスそのものを検出することはできず、ウイルスに対する抗体を見つけることができるだけなので、キラーT細胞の反応が低く抗体が多いと「HIVポジティブ」と表現されるわけです。

 そして免疫学者は、「ウイルスに対する抗体を見つけたら、これは健康を害していく」と言いはじめたのです。ですから、HIVの抗体とは実際には悪いものなのです。なぜならば、免疫システムがキラーT細胞からB細胞(抗体)へ移ってしまうからです。

 世界各国でエイズワクチンを開発しようと必死になっていますが、ワクチンの性質上、その悪いものであるHIVの抗体をつくらせようとしているわけですから、エイズワクチンという存在が矛盾する存在です。ですから、私はこれまで「エイズワクチンが成功することは決してないだろう」と言ってきたのです。そのとおり、今日までエイズワクチンの開発に成功したという話を聞きません。そしてこれからも聞くことはないでしょう。

 どうやってエイズになっていくかをここで考えてみましょう。予防接種をすると一度に大量の異物が血液中に侵入するため、それを排泄できない事態になります。もちろん、免疫は低下します。そうすると、前述したとおり内部にエネルギーが注がれ、外の感染症に対する抵抗力が小さくなり、感染しやすくなります。もちろん、病原体が感染するための餌となる異物が血液中に豊富に存在することも、感染しやすくなる要因です。感染すると熱や発疹などの排泄症状が生じますが、その症状を抑圧した場合、その病原体も血液中にとどまることになり、さらに抗体が増え、免疫力もさらに低下します。そうするとさらに、ほかのなんでもない細菌やウイルスにも感染しやすくなります。そうしてほかの病原体に感染し、同様に排泄のための熱や発疹、あるいは咳や鼻だれを出しますが、その症状も再び抑圧されると、その細菌やウイルスも血液中にとどまり、さらに抗体がつくられ、さらに免疫が低下します。このようになると、血液中は抗体だらけになると同時に免疫力が著しく低下し、どんな微生物も危険な存在になってしまいます。これがエイズといわれる病気の実態です。

 現在、エイズ研究で目指していることは、キラーT細胞の反応を高め、抗体の反応を低下させるということです。どうかよく留意してください。これはワクチンがやっていることと全く逆のことなのです。

 しかし、ワクチン開発は依然として、抗体をつくらせることを目的として開発、製造されているわけです。アジュバント(抗原性補強剤)などの毒物を入れて無理やり抗体をつくらせるワクチンのやり方は、免疫を低下させ、未解決の問題をつくりだし、病原体を血液中にとどまらせるものであり、慢性化させることを目的としたものとしか考えられないのです。

 ただし、誤解していただきたくないのは、私は毒を無毒化したり、病原体を不活性化させる抗体の役割を100%否定しているわけではないということです。抗体生産だけが免疫のすべてではないということ、むしろ抗体の役割とは免疫システム全体の中では低いということを理解してほしいのです。抗体だけにとらわれて抗体検査をし、免疫があるとかないとか議論をすることは愚かしいということです。そしてその抗体を増やすために予防接種をしているとしたら、まさに健康を害して免疫を低下させているということで、実に恐ろしいことなのです。