なぜホメオパシーは嫌われるのか?(その4)――予防接種トンデモ論より引用――

予防接種トンデモ論ドイツ語版出版を記念して、予防接種トンデモ論から一部、ご紹介します(その4)。

アレルギーの原因

 たとえば、皆さんの家に泥棒がいるとして、その泥棒をどうしても追い出すことができません。皮下注射で直接血液中に異物が入るということは、泥棒が窓を壊して入ったわけでもなく、玄関の錠を破って入ったわけでもなく、いつの間にかリビングでお茶を飲み、寝室で寝ていたということであり、まるでその家の住人であるかのようになっていて、泥棒の証拠もなく、警察に訴えつまみ出すことができないような状態です。

 そこで家族の誰かに、2人として同じ泥棒らしき人物が入らないように玄関で見張っておくよう指示をして、入れてはならない人を特定します。「口の周りにヒゲがあり、ほっかむりをして鼻の下で結び、唐草模様の風呂敷を持っている人がきたら絶対に入れるな」というわけです。というのも、家の中にはすでに泥棒がいて、それが未解決の状態にあるために非常に敏感になっているので、これ以上似たような人間が近づかないように警戒し、近づいたら大騒ぎするわけです。

 同様に、血液中に異物がある場合も、体は見張りをつけて二度と同じ異物が入らないように警戒するのです。その見張り役をIgE抗体といい、IgE抗体が体の粘膜のマスト細胞(肥満細胞)のところにいくわけです。そして血液中に存在する未解決の異物がやってくると、その異物とIgE抗体が結合し、マスト細胞からヒスタミン等が放出され炎症を起こします。これを私たちはアレルギーと呼んでいます。

 こうみていくと、アレルギーは自分の中で未解決なものの反応なわけです。体は間違ったことはしないのです。

 たとえば、花粉やピーナッツはそれ自体は危険なものではありません。しかし、それが血液の中にあったならば話は別です。血液の中に入ってそれを排出することができないときには、私たちはそれに敏感になって過激に反応するわけです。ですから、アレルギーがあるということは、血液中に異物が存在し続けているということであり、もちろん、抗体も存在し続けているということなのです。現代のアレルギーの増加と予防接種に含まれる異種タンパク質をはじめとするさまざまな異物は、密接に関係しているのです。

 もうひとつ問題なのは、一度に大量の異物が侵入し、突然変異した異常抗体が生産されることによって、免疫システムが無秩序になってしまうことです。こういう状態になると体はほかの異物に対しても過度に敏感に反応するようになってしまいます。そのため、環境誘因に対しても過敏になり、もはや敵と味方の区別もできなくなり、湿疹、花粉症、気管支ぜんそく、食物アレルギーといったアレルギーが子どもたちのあいだで爆発的に増大する一因となってしまっています。多くの子どもたちが、予防接種後に免疫過敏症が形成され、数週間のうちになんらかのアレルギーをもつに至ります。

3歳前の予防接種は脳障害の危険性が高まる

 血液中にある老廃物の排泄を含めた抗体反応を得るためには、体がその方法を学ばなければなりません。乳児のときにはそのやり方を知らないのです。私たちが生まれたばかりのときには、まず初歩的なことから学んでいくわけです。呼吸を学ぶためにも数分かかるのです。

 子どもは最初、皮膚の温度=体温を保つということを学びます。そしてそれができたらすぐ、母親から母乳を得るということを学びます。それによって消化・排泄を順番に学んでいきます。赤ん坊が体に毒を溜めたりストレスを溜めたりすると、下痢をしたり、吐いたり、痰を出したりしますが、それができるようになるには生後1日ほどかかります。さらに、赤ん坊が実際に熱を出すまでには、生まれてから数日、数週間の時間が必要となります。これは、子どもが発育過程で学ばなくてはならないことですが、理想的には1歳くらいまで血液の毒を排除しなくてもよい環境にするべきです。そして、できれば2~3歳、そのあとくらいまで避けたいわけです。

 生後3カ月の赤ん坊に予防接種をするということは、小学生に高校生レベルの数学を強制的に学ばせているようなものです。こうなるともちろん、しっかり対処することができませんから、マクロファージやNK細胞やキラーT細胞ではなく、最終段階のB細胞による一時しのぎとしての抗体生産の手段がとられ、ワクチンに対する抗体はつくられるものの、ウイルスを含めた毒や異物を排泄することはできないのです。ですから、このとき血液中に入った異物の多くは、血液中にとどまり続けたり、神経系にまでいってしまうわけです。

 すると、ミエリン鞘が破壊されて、神経伝達がうまく行われなくなり、さまざまな取り返しのつかない問題となってしまいます。ミエリン鞘というのは、神経細胞を覆う脂肪の膜です。神経線維にはこのミエリン鞘があるものとないものがあるのですが、ミエリン鞘のある神経繊維は、これによって神経の伝達がスムーズに行われています。脳は、最初に神経細胞の分化が起こり、次にミエリン鞘が形成され、最後にシナプスが形成され、脳の回路が完成するというふうに段階を踏んで発達します。

 その大事なミエリン鞘は脳の大部分の場所で、だいたい1歳までに形成されますが、脳の場所によっては2~3歳までかかります。予防接種をする時期が早ければ早いほど、脳に障害が生じる可能性が高くなります。ですから、できれば3歳までは血液中に毒を入れるようなことをしてはいけないのです。もしそれがむずかしいのであれば、せめて1歳までは予防接種をしないでほしいのです。

 最近、自閉症とワクチンの中に含まれている有機水銀(チメロサール)の関係がクローズアップされていることを受けて、チメロサールを含まないワクチンも使われ始めています。しかし、免疫系がしっかり確立していない1歳未満の乳児の血液中にさまざまなウイルスなどの異物が直接的に入っていくことが、自閉症にかぎっても、根本的な問題なのです。さまざまな異物が血液中に入ることによって免疫力が著しく低下するだけでなく、将来的に自己免疫疾患や癌などの難病やアトピー、ぜんそく、アレルギーなどになるリスクが飛躍的に高まることは言うまでもありません。

 前述したとおり、この抗体というのは、ウイルスや細菌や毒に目印をつける役目なのです。「ここにある」ということを示すだけであり、それがイコール排泄とはなりません。何度も繰り返しますが、抗体=免疫ではないのです。抗体=免疫だと思っているとしたら、高級掃除機を購入しただけで家の中がきれいになったと幻想するようなものです。

つづく