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2012年3月 9日 (金)

2005年のThe Lancet(ザ・ランセット)のホメオパシーの有効性を否定する論文はいかにして捏造されたか?

日本学術会議副会長である唐木英明氏は、ホメオパシーは「科学を無視」したもので、「治療として有効性がないことは科学的に証明されている」とし、「荒唐無稽」と結論づけました。

その根拠とされたのが、ザ・ランセットに掲載された次の論文です。

Are the clinical effects of homoeopathy placebo effects? Comparative study of placebo-controlled trials of homoeopathy and allopathy  Shang A, Huwiler-Muntener K, Nartey L, Juni P, Dorig S, Sterne JA, Pewsner D, Egger M., The Lancet, Volume 366, Issue 9487 , 27 August 2005-2 September 2005, Pages 726-732 (ホメオパシーの臨床効果はプラセボか? ホメオパシーとアロパシーのプラセボ対照試験の比較研究)

この論文はランセットの価値を貶めたとまで言わしめた論文で、最近もスイス政府によって公式に信頼できない論文とされました。詳細はこちら

今回はその論文がどのようにして作られたかについて、『世界の一流有名人がホメオパシーを選ぶ理由』からご紹介します。


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 二〇〇五年、世界保健機関(WHO)の担当者たちは、ホメオパシー医学に関する報告書の作成を進めていた。この報告書のチェックを依頼したなかにはホメオパシーへの懐疑派もいて、その人物の一人が、ホメオパシーに対して肯定的すぎると強く不満を訴えた。そして彼は報告書の内容を、他の反対論者やイギリスの医学誌『ザ・ランセット』に漏洩したのである。

 すると『ザ・ランセット』は、ホメオパシーに肯定的な、未完結で未発表のこの報告書を批判する内容の記事を掲載したうえ(McCarty, 2005)、ホメオパシーと従来型医療を比較研究した論文を急きょ掲載したのだった(Shang et al., 2005)。

 ホメオパシーと従来型医療の臨床研究を比較するという発想自体はもちろん良い。だが、実際にそれを公正かつ正確に行うのは、想像よりずっと大変なことである。

 しかし、この比較研究の主執筆者――アンチ・ホメオパシーの急先鋒として有名だったスイス人医師のエッガー博士――は、ホメオパシーを客観的に評価するのにふさわしい医師でも科学者でもなかった。

 彼は研究が終わりもしないうちから、自分の研究を提出する予定があることや、ホメオパシー薬は効かないという結果が十分に期待される旨を、『ザ・ランセット』の編集者に伝えていた。(23)

 エッガー率いる研究チームは、ホメオパシー医学の効果を評価するにあたり、まずホメオパシー薬の効果を調べた一一〇件の過去のプラシーボ対照試験を探し出した。次に、それらと「対応する」一一〇件のプラシーボ対照試験を選び出した。

 「対応する」試験とは、通常、病気の種類や母集団の人数が近似していて、なおかつ治療期間も同程度の患者を対象に行われた実験を指すが、この研究者たちが一般薬の臨床試験を選別した理由も基準も説明されていない。

 
想像に難くないが、対応試験を探し出すことは「言うは易し、行うは難し」である。この研究チームが本当に対応試験を見つけられたのかを疑うのは簡単だが、とりあえずそれが可能であったという好意的な前提のうえで話を進める。

 次に研究チームは、各試験の調査設計の善し悪しや、その手法を吟味した。その結果、質が高いと認められたのは、ホメオパシーの調査が二一件、一般薬の臨床試験は九件だけであった。(24) 

 そして、十分な説明もないままに、質が高く患者数も十分と判断された調査だけを評価の対象とした。

 
結局、このような特質に適合するものとして残ったのは、ホメオパシーの調査では八件、一般の臨床試験では六件だった。八件のホメオパシーの調査のうち、一人ひとりの患者に合わせてホメオパシー薬が選ばれていたのは二件のみで、それ以外の調査では全員に同じ薬が使われていた(そのほうが調査は簡単だが、ホメオパシーの方法論としては必ずしも好ましいテスト法ではない)。

 八件のホメオパシーの調査と六件の一般薬の臨床試験は、どう見ても対応関係になかった。これらの調査を比較可能と言うには相当に奇抜な発想にでもよらない限り到底説明がつかない。

 しかも研究チームは、質が高いと認められた二一件のホメオパシーの研究と九件の一般薬の臨床試験との比較分析結果は一切出していない。


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つまりはこういうことです。WHOがホメオパシー医学の正しい報告書を作成していたところ、あらゆる組織に潜り込んでいるチンピラ的人間がやっぱりここにもいて、ザ・ランセットに潜り込んでいる同胞に情報漏洩し、WHOが作成していたホメオパシー医学の報告書が完成しないよう大慌てで妨害工作をすると同時に、その隙に科学者に依頼し、その科学者は、あっという間に信頼のおけない論文を作り上げてしまったということです。そのザ・ランセットには、「ホメオパシーの終わり」という誰が書いたかわからない論説というおまけが付いていました。詳細はこちら。なんともひどい話です。

その論文たるや、ホメオパシー否定派の急先鋒の科学者が執筆したもので、ホメオパシーとアロパシーの110の臨床試験の詳細データがなく、ホメオパシー臨床試験と、奇想天外な発想をしないとそれと対応しないアロパシー臨床試験を比較したと言い張り、そこから十分な説明もないまま、質が高いとされた21件のホメオパシーの臨床試験と9件の一般薬の臨床試験をピックアップしながら、なぜかその比較分析結果は出さず、たった8件のお気に入りのホメオパシー試験と6件の一般薬の試験で、むりやり比較分析し、「ホメオパシーはプラセボ効果であるという見解と矛盾しない」と結論づけたいかがわしい論文です。いかがわしさの詳細はスイス政府のHTAレポートを参照してください。本当にここまでいかがわしくていいの?とホメオパシー肯定派が心配してしまうほどのいかがわしさです。あるいは、近年まれにみるいかがわしさ、もしくは、いかがわいさにおいて右に出るものがいない、と表現できる論文です。そういう意味では逆に評価してもよいのかもしれません。

いずれにせよ、統計の魔術的力を借りて、ホメオパシーに不利な結果がでるように、最初からホメオパシーを葬り去る目的で作られた論文ではないのかという疑念をぬぐえません。
而して、スイス政府のHTAレポートの結論は当然ながら以下になります。この言葉の中には、当たり前のことを学術的に表現しなければならない苦悩のようなもの、つまり、ためいきが感じられます。

『要するに、メタ分析にはよくあることだが、もし形式的基準が過大評価され、外的妥当性やモデル妥当性基準の内容あるいは判断に関して差別化がなされないならば、かなりのバイアス(歪み)リスクが存在することになると言ってよい。遡及的な選択をしたり、交絡因子が欠如しているため、メタ分析は、顕在的あるいは潜在的バイアスに対しても保護されているわけではない。
「もしRCT(無作為臨床試験)をこのような方法で評価した下ならば、コクランテストでは不合格になってしまうだろう」(Wegscheider 2005;13章221ページ参照)。
上記の論拠によって、「ホメオパシーが有効である」という正反対の結論に導くことにはならないにしても、「Shang他の研究(2005a)はホメオパシーの無効性を立証しない」という主張を支持することにはなる。この研究の明らかな潜在的誤りを考慮すれば、Uma Pillaiの言葉「たった一つの研究で、全体系を却下することなど不可能である」(Skandhan他 2005a)に同意するしかないのである』

よく一流の科学誌に掲載されなければまともな論文でないと言う人がいます。しかし、ネイチャーなどの一流科学誌にはやっぱりチンピラ的な人間が潜り込んでいて、世界のビジネスに深刻な影響を及ぼしかねない研究は掲載されないしくみになっている(検閲がある)と言っている人がいますが、おそらくその通りではないかと思います。

そういう意味でベンベニスト博士の1988年にネイチャーに掲載された論文は迂闊だったのではないかと思います。すぐさまベンベニスト博士の実験を検証するチームがネイチャーによって結成されましたが、その中になぜか科学者でもないチンピラ的手品師がいたというのは一体どういうことかと思います。そして翌年、ベンベニスト博士の論文は幻だった、とする反対論文がネイチャーに掲載され、それ以来、ベンベニスト博士は笑いものとなりました。なんともひどい話です。ベンベニスト博士の経歴は立派なものであったにもかかわらず。詳細はこちら。

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